給料が高い、労働条件がいい、福利厚生がいい、安定しているなど労働者にとってたくさんのメリットがある大企業。
就職市場で人気があり競争率の高く、大企業の中でも特に有名な一流企業ともなれば、そう簡単に入社することはできません。
入りたくても入れない人もたくさんいます。
ただそのせっかく入れた会社を、入社1年そこらで辞めてしまって後悔する人は少なくありません。
世の中には、大企業辞めて良かった!!大企業はクソだから転職してベンチャーに行け!!なんて煽るブロガーさんもいますが、全ての人にこれが当てはまるわけではありません。
っていうか、辞めて成功した人は辞めて良かった!と言うに決まっているわけです。
大企業の離職率って?
大卒の入社3年以内の離職率はおよそ3割。
10人に3人というかなり高い割合の人が、3年たたずに新卒で入った会社を辞めています。
ただ大企業に絞った場合だと離職率はこれほど高くはありません。
特に一部上場しているような一流企業だと、3年以内の離職率がたったの数パーセント程度しかないと会社もとても多いです。
ただ0%ではありません。
それこそ給料も高くてホワイト企業だと有名な企業であっても3~5%程度は辞めている会社もあり、そんな珍しいことでもないのです。
なぜせ苦労して入った大企業を退職してしまうのか
大企業を退職した人の中には、やむを得ず退職することになってしまった人もいます。
たとえば健康上の理由、家庭の事情などですね。
ただそういった人は少数派であり、たいていは誰に言われるでもなく自分の意思で退職しています。
たとえば
- キャリアアップを求めて
- やりたい仕事ではなかったから
- 仕事がつまらないから
- 転勤が多いから
確かに平均からみると、給料は良くても上を見たらさらに上がいて満足できない人もいます。
給料や労働条件よりも仕事のやりがいを重視する人もいます。
大企業特有の転勤の多さに耐えられない人もいます。
大企業で働いているからと言って、皆が皆満足して働いているわけではないんですよね。
大企業を退職して後悔する理由
給与が下がる
特にあなたが高学歴で周りに大企業の友人が多いほど陥りやすいのですが、基本的に大企業はみんな高給です。これは紛れもない事実です。
大企業に行けるような人は周りも高学歴で優秀なことが多いのですが、そうなるとあなたの比較対象は周りの友人ということになります。
周りの高学歴で大企業勤務の友人と給料を比較してはいけません。彼らは上澄みのエリートですし、あなたもその1人なんですから。
高学歴で大企業の周りの友人にしか視野を広げられず、彼らばかりに目が行ってしまうと途端に自分がみすぼらしく思えてしまうかもしれませんが大企業に入れる時点で世間一般から見たら勝ち組なのです。
次に行く会社が大企業であればそんなに給与が下がらないかもしれませんが、中小企業・ベンチャーに移るなら、給料が下がることは覚悟しておきましょう。
ネームバリュー(社会的信用度)が無くなる
会社のネームバリューっていうのはいろんなところで生きてくるのです。
東証一部上場企業に勤務しているってだけで何故か信用されて金を銀行から引っ張れたりします。ローンを組むのも簡単です。
大企業を辞めるとそういうネームバリュー、社会的信用が一気に落ちます。
地味ですが、プライドが高い人にとってはかなりのデメリットですね。
退職金、特に企業年金が無くなる
今時退職金がしっかり出て、企業年金が貰えるところは少ないです。
大企業にずっと勤めていれば老後は安泰だったのですが、辞めることにより老後の不安が遅いかかってきます。
年金制度は崩壊する!と言われていますが、それって何十年も前からずっと言われていることです。制度はそう簡単には変わらないので年金制度は続くでしょう。
大企業を辞めると急に老後が不安になる。
これも大企業に勤め続けている人にはわからない心理だと思います。
福利厚生が無くなる
光熱費水道代タダの1万円の寮、社員食堂、会社持ちの定期的なパーティ、格安で泊まれる高級ホテルや旅館、大企業ではよくある話です。
でも、今の世の中そんなに待遇が良い企業なんて少ないです。
隣の芝生は青く見えるとはよく言ったもので、周りを見て自分を決めてはいけません。
世間相対的に見て自分が恵まれているか、そもそも自分が幸せかどうかで会社は決めねばなりません。
ベンチャー、中小なんて福利厚生は無いに等しいですよ。
大企業を退職して後悔する人よくあるミス
デメリットばかりに目がいってしまう
あれが嫌だ、これが不満だとデメリットの部分ばかりに目がいき、その会社で働くことのメリットに気づかない。
恵まれていることを知ろうともせずに当たり前だと決めつける。得ることばかりを考え、同時に失ってしまうものを考えない。
まずこれが大企業を退職して後悔することになる原因の一つです。
給料や労働条件の大切さが分かっていない。
高い給料を貰えること。休みが多いこと。残業に制限があり長時間残業にならないこと。
こういったことは働く上で非常に大切なことです。
ただ仕事の内容ややりがいなどを重視するあまりに、そういった点を軽視しすぎてしまう人は少なくありません。
もちろんそれでも満足できる人もたくさんいます。給料は減ったけどやりたい仕事ができるようになったから幸せだと感じることができる人もたくさんいます。
ただ皆が皆、そういうわけではないんですよね。
実際に働いてみると給料の少なさから不満しか感じることができなくなったり、長時間労働に耐えることができなくなってしまう人もたくさんいるのです。
自分の実力を過信している。
大企業だと成長できない、自分はもっと活躍できる。
そんな風に何の根拠もなく自分の実力を過信し、あまりに無謀すぎるチャレンジに踏み切ってしまうと後悔することになる可能性は大きいです。
たとえば年功序列は嫌だ、成果主義の会社がいいと外資系企業やベンチャーに転職したが全然活躍できなかったなんて人はしばしば見かけます。
大きな仕事ができていたのも、大企業の看板のおかげですからね。
よく考えたつもりになっている。
大企業を退職するというのはそれ相応の勇気が必要であり、ほとんどの人は悩みますし、じっくり考えるでしょう。
ただしっかり考えたつもりが、実は考えたつもりになっているだけになってしまっていたというミスはよくあります。
結局は退職することに持っていこうと、退職を正当化するだけのことばかりを考えて退職を否定するようなことは極力考えないようにしまうというのがよくあるパターン。
考えたつもりになって退職してしまうと、退職後に少しづつボロがでてきてしまいます。
まとめ
大企業だから絶対に辞めるべきではない、とは言いませんが大企業は大きなメリットが沢山あります。
その中にいるとだんだんメリットも感じなくなってくるものです。
自分の実力と、会社の看板の力を勘違いしてしまう人もいます。
せっかく入った大企業を辞めたい、と考えだしたらいったん冷静になりましょう。
それでも転職を考えるなら、転職エージェントに相談すべきです。
大きいところは顧客からの信用を第一に置いていますので、真摯にあなたに向き合い、相談に乗ってくれ、場合によっては今の会社に残ることもアドバイスしてくれるでしょう。